
「桃の節句」は、節句の中で、とりわけ「女の子」に向けたお祝いの日。
さわやかな日差しの中で雪解けがはじまる季節。
「上巳の節句(じょうしのせっく)」は、桃の花が咲きはじめる頃に迎えることから「桃の節句」と言われます。女の子を持つご家族が、雛人形を飾り、健やかな成長と幸福を祈ります。
現代では「ひなまつり」には、女児だけでなく、全ての女性がお雛様を飾ったり、季節のお飾りとしても楽しんでいただけます。
厄災・厄病を身代わりとして引き受けてもらうとも言われ、女の子を持つご家族が、成長と幸福を祈る気持ちで飾ります。
お雛様は、お子さまに「災いが降りかからないように」という願いや、「人生の幸福が得られるように」という思いを込めて飾ります。
その思いが今日のお祝い文化、お節句となりました。
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健やかな成長を祈るお飾りを、ぜひ暮らしの中に




桃の節句・・・上巳 の節句 (3月3日)
季節の節目を意味する「節句」は、昔から邪気が入りやすい時期といわれ、様々な年月・知恵により、文化が受け継がれてきました。
昔から、中国では3月3日の上巳の節句は川で身を清めたり、宮中で宴席を催すなどして災厄を祓う習わしがありました。
日本に伝わった際に「禊祓(みそぎはらい)」や「人形(ひとがた)」を流して邪気払いをするという、日本の風習と結びつき、ひな祭りの行事でもあった「流し雛」に発展し、【お雛様】のルーツとなりました。


二十四節気の「立春」明けから「雨水の頃」に飾るのが一般的とされています。
節分の2月3日(節分は鬼を祓い)、翌日「立春」を開けて以降のお日柄が良い日や、「大安」に合わせて飾るのが良いとも言われています。
ひなまつりの歴史から分かるように、雛人形は「水に関係する行事」として伝えられ、厄を移した人形を水に流していたことに由来します。
水が豊かになる「雨水の頃」は雛人形と相性がよく、その頃に飾ると良縁がもたらされると考えられていました。
中に、「1月から飾ってはダメですか?」というご質問もいただきます。
三月掛け(みつきがけ)にあたるので、縁起が悪いと考える方もいます。
◆「三月掛け」とは?◆
三ヶ月に渡ると「終始苦労が身に付く」と言って縁起が悪いと考える人がいます。その理由は、語呂合わせからきていると言われています。
四十九日、三月またぎ、も同様に「始終苦労が身につく」として、仏事だけでなく、冠婚葬祭では縁起が悪いとして忌み嫌われています。
しかし、冒頭に述べたように語呂合わせであり、「あまり遅くならないように」という意味を込めて伝わっているものと思われます。旧暦でお節句を行う地域もあるので「三月掛け」を特別気にすることはありません。

◆時代の変化と共に◆
近年では、核家族化やライフスタイルの変化が進み、しきたりにこだわりすぎず、柔軟に考える親御さんが増えています。
両家でお金を出し合うケースもあれば、男側が用意することもありますし、両親に頼らず、自らがお金を出して購入するケースもあります。

いつの時代も女の子を持つご家族が、初節句だけでなく、年に一度の桃の節句を成長と幸福を祈る文化としていつまでも、お祝いを楽しみいただきたいと思います。