日本の伝統的な文様のひとつで、麻の葉の形を幾何学的に表した六角形の連続模様です。連続した文様は、長寿や永遠、不死などの意味を持つとされています。　

麻は、古代より神事に欠かせない植物で、神社のしめ縄や神前の幣（ぬさ）に用いられ、「神が宿る神聖な繊維」とされていました。麻の葉模様もまた、神の守護の象徴として、衣や道具に施されてきた日本には古来より馴染み深い文様。

　

1. 成長・健やかさの象徴

麻の葉は、まっすぐにすくすくと早く成長する植物です。そのため、「子どもが健やかに大きく育ちますように」という願いを込めて、産着やおくるみ、祝い着などに好んで使われる柄です。

2. 魔除けの力

麻は古来より神聖な植物とされており、邪気を払う力があると信じられていました。規則正しい鋭角的な幾何学模様も、魔除けの意味を持つとされ、赤ちゃんの衣服やお守りなどに用いられてきました。

3. 縁起のよい文様

模様のバランスの良さ、美しさから、繁栄・繁盛・家内安全といった意味合いも込められ、飾る場所を選びません。　

麻の葉文様の意味と願い

🌿 まっすぐな成長
🌿 健やかな生命力
🌿 厄除け・魔除け
🌿 清らかな心と身体

特に赤ちゃんの産着やおくるみ、襦袢（じゅばん）などに用いられてきたこの文様は、
「すこやかに、大きく育ちますように」という親の深い祈りを込めたもの。

いのちの強さをそっと支え、成長を見守る祈りの文様です。

また、赤ちゃんへの贈り物だけでなく、旅立つ人へのはなむけや年齢を重ねた人への「まだまだ育つ」エールにもぴったり。麻の葉は、あらゆる人生の瞬間を照らす、やさしく力強い祈りのかたちです。