• 暦 は 暮 ら し の 目 印

     

    日本では、変化に富む季節の移り変わりだけでなく、年中行事や暮らしの知恵を暦にもりこみ、生活のしるべとしてきました。

     

    そうした暮らしの目印には、月日や曜日、祝祭日以外に「二十四節気(にじゅうしせっき)」や「五節句(ごせっく)」「雑節(ざっせつ)」などの「暦日」が載せられていて、日付だけでは把握できない細やかな季節の移ろいを知ることができます。

     

    そうした、暦日から読み取れる日は、多くの場合、季節の節目=「節句」として知られています。

     

     

    節 句 と い う 季 節 の 節 目 

     

    「節句」とは、季節の節目を意味し、季節の切り替わりの時期は体調を崩しやすいことから、昔から「邪気」が入りやすい時期として、考えられてきました。

     

    節句は、立春や節分、冬至などの季節の節目も含み、そうした行事・文化・暮らしの中で、様々な習わしと共に「厄払い(鬼払い)」があるのはそのためです。厄災や厄病から守るために、それぞれの季節ごとに、無病息災や幸福を祈ります。

    他にも、子どものお祝い行事でもある「端午の節句」や「桃の節句」も言葉通り「節目」にあたります。「端午の節句」は、春から夏への節目として。「桃の節句」は、冬眠から動物や虫たちが目を覚ましだす「啓蟄」(二十四節気)にあたります。

     

    「節目の日」は、行事・文化・暮らしやお祝いだけでなく、あらためて家族や自分自身の身体を気遣ったり、生活を見直すタイミングにもなります。例えば、節目に合わせて、雛人形を飾り出したり、片づけたりすることも、生活を整えることに繋がります。

    そうしたことを【習わしの日】と決めておく、日本の文化や生活スタイルこそ、昔から代々積み重ねてきた人々の知恵という気がいたします。

  • 五 節 句 と は ?

     

    「五節句」は、奈良時代に中国から伝わった「季節の節目」に近く、奇数が重なる日をめでたいとした考えから成り立った文化です。

     
    古来日本では、稲作中心の生活リズムに合わせて季節の催しやお祝い適合させてきました。

    昔は今よりも多くの節句がありましたが、現代では5つの節句として受け継がれています。

五 節 句 一 覧

 

人日の節句(七草の節句)

1月7日

 

【人日の節句】は1年の無病息災を願う日とし、七草がゆを食べる習慣があります。古代中国の書物が由来と言われていますが、日本には年のはじめに若菜を摘んで、自然界から新しい生命を頂く「若菜摘み」というものがありました。

人日の節句の飾り物はお正月と同じ、羽子板・破魔弓を飾ります。

魔を払い、無病息災のお守りとして、節目の時期を過ごします。

 

 

上巳の節句(桃の節句)

3月3日

 

雛人形を飾り、女の子の健やかな成長を願い祝う日

上巳の節句の飾り物雛人形を飾ります。

無病息災を願い川で身を清める行事が中国から伝わり、元々日本にあった、人形(ひとがた)にけがれを託して川に流す風習が合わさり、徐々に人形を飾るスタイルへと変化していきました。

 

 

端午の節句(菖蒲の節句)

5月5日

 

男児の健やかな成長を願い祝う日。

現代では「こどもの日」としても知られています。

端午の節句の飾り物五月人形鯉のぼりがあります。男児の健やかな成長を願って飾られます。またこいのぼりは、「流れの強い竜門の滝を登った鯉は竜になる」という中国の伝説が由来となっており、「強く育ち、身を立てられるように」との願いを込めて飾られます。

七夕の節句(笹竹の節句)

7月7日

七夕は、女性の機織りや針仕事の上達を祈る行事として行われました。奈良時代の日本では宮中行事として取り入れられるようになり、現代まで残ります。

七夕節句の飾り物には七夕竹を飾ります天の神様へ向けた目印として飾り、短冊に和歌などを書いて飾るのが一般的でしたが、現代では願い事を書き、結びつけるのが主流となっています。笹は邪気を払う効果があるとされていたことから使われるようになったとされています。 

重陽の節句(菊の節句)

9月9日

菊の薬効によって健康を願う日。

重陽の節句の飾り物には、雛人形があります。

自分の雛人形を表に出し、痛みを防ぐことが目的だとされています。3月に片付けた雛人形をもう一度飾るこの風習は、「後の雛(のちのひな)」と呼ばれていました。

子どものための節目の行事<お祝い行事の由来・歴史>