第9番【芒種 】(ぼうしゅ)

第9番【芒種 】(ぼうしゅ)

二十四節気 第9番【芒種 】(ぼうしゅ)


稲や麦などの穀物の種をまく頃。
田んぼには小さな苗が植えられ、だんだんと雨の日が増えていき、全国的に梅雨に入ります。

「芒種」の言葉は「“芒(のぎ)”のある植物の“種”をまく時期」に由来している言葉です。芒(のぎ)とは、イネ科の植物の穂先にある針状の突起のことを指し、この頃に麦の刈入れや田植えを行う目安とされてきました。

【芒種】の頃、七十二候では、以下のように記されます。

 

七十二候とは?
それぞれの季節時点に応じた自然現象や動植物の行動を短い言葉で表現し、季節を5日と短く区切ることで季節の移ろいをより細やかに感じることができます。
生活する中で、ふと季節の変化に気が付くきっかけにもなります。 

 

 

第25候  初候【螳螂生】(かまきりしょうず)


 

初夏になると秋の内に産み付けられた卵から、かまきりの幼虫が孵化する頃になります。カマキリは人間には手をつけず、稲や野菜には攻撃せず、害虫を捕まえてくれるありがたい存在です。

 

カマキリの一生

カマキリのひとつの卵のうには、200~300個の卵が入っていると言われ、200匹生まれたとしたら、無事成虫になれるのはほんの2~5匹ほどだと言われています。



第26候 次候【腐草為蛍】(くされたるくさほたるとなる)


ホタルが暗闇に光を放ちながら飛び交う頃。

自然環境の変化、特に河川の改修や汚染、農薬散布、餌になるカタツムリや貝の減少で、すっかり数は減ったとはいえ、蛍は日本の夏にはなくてはならない風物詩です。

闇夜の小川のせせらぎにほんのり美しい光が飛び交う様子は幻想的。日本の四季にまつわる代表的な情景であり、蛍の光は平安のむかしから歌や物語の恋愛の場に「恋愛のシグナル」としてよく用いられます。蛍の浮遊する様子を、身体から遊離した魂に見立てたり、燃える恋の思いに喩えたりして歌われることも多いです。

日本では約40種の蛍が本州以南に生息しているといわれ、日本の蛍は(ゲンジボタル)5月~6月頃に孵化します。蛍はとても繊細な生き物であり、全国各地で蛍を守る取り組みが行われています。
この先も日本の美しい景色を見続けられるように、そっと静かに見守るようお願いします。


 

第27候 末候【梅子黄】(うめのみきばむ)


梅雨入りしている季節、梅の収穫期を迎えます。
最初は目にも鮮やかな青梅が少しずつ熟して黄色に変化していくころ。梅が日本に入ってきたのは3世紀ごろといわれています。盛んに食されるようになったのは鎌倉時代に入ってからのこと。梅干しは非常食、携帯食にもなり、保存性に優れ、日本の食生活になくてはならないものです。

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