季節の手玉vol.3【夏の終わり:ぬか床づくり】

季節の手玉vol.3【夏の終わり:ぬか床づくり】


お庭に植えた夏野菜。
夏も終わりに近づいた頃、まだまだ取れ続けている野菜の消費に「ぬか床」を作ることにしました。
ぬか漬けは日本の伝統的な食材・保存食として知られます。生のままでも十分においしい夏野菜ですが、ぬか床に漬け、ぬか漬けにすることによって、健康や美容にも効果をもたらし、また新たな食材の魅力や個性を見つけることができます。
またぬか床上級者になれば、野菜だけでなく、果物や生ものまで!?楽しみは様々。
まずは健康づくりの食卓に、ぬか床づくりに挑戦してみませんか。

  

 
 


 


栄養たっぷりのぬか漬け

 
 ぬか漬けが「健康に良い」といわれるのは、どのような理由からなのでしょう。

ぬか漬けとは、発酵させた「ぬか床」に野菜などを漬けたものです。ぬか床は、米などの雑穀を精白する際に出る「ぬか」に、塩と水を混ぜて乳酸発酵させて作られます。そもそも「ぬか」には、ビタミンやミネラル、タンパク質、脂質などの栄養素が豊富に含まれ、更に発酵して作られるので、植物性乳酸菌が含まれます。
唐辛子や昆布、山椒を入れることもあり、さらに発酵が進むと味わいも深くなり、我が家流で育てられることも人気の秘訣です。

 

 

 
 


◆腸内環境を整える「腸活」に役立つ◆

 
乳酸菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸の働きを活発にしてくれます。腸内環境が整うことで、便秘の解消が期待できるだけでなく、免疫力アップやがんの予防にも役立ちます。悪玉菌は偏った食生活や、不規則な生活、ストレスや便秘などが原因で増えてしまうため、これらに当てはまる方は発酵食品を積極的に取り入れたいもの。
また乳酸菌は腸に住みつかないため、毎日補う必要があるといわれています。ぬか漬けであれば日々の食生活にも取り入れやすいですね。

その他にも、ぬかにはビタミンB1やカリウムなどの栄養素が豊富に含まれ、そこに野菜を漬け込むことで野菜の栄養価もアップします。特に、ビタミンB1はぬか漬けにすることで約10倍に増えるといわれています。




 
   
 
 
生ぬか ・・・1kg
水 ・・・1L(ぬかと同量)
塩 ・・・130g~150g
捨て漬け野菜・・・ 適量

◆捨て漬け とは?◆
1から作る、ぬか床の中には、まだまだ菌が少ない状況です。菌を増殖させるために菌の餌である多糖類である食物繊維が必要になってきます。

捨て漬けとして使う野菜は例えばこのようなものです。大根の頭・葉 キャベツの芯・葉 などが良いと言われています。
その他に適した野菜はかぶの皮や葉っぱ、ブロッコリーの芯などもよく、基本的にアクの少ない野菜が漬物に適していると言われますが、冷蔵庫にある野菜で大丈夫です。

ぬか床の捨て漬けした野菜は塩辛く、食べられないことがほとんどです。

【我が家流の風味材料】
鰹節  適量
粗びき唐辛子 30g~50g(お好みに合わせて)

山椒の実や煮干し、干し椎茸などを入れてもおいしくなります。
途中からでも入れられるので、味が安定してから追加する方法もあります。

 
 
  







ぬか床のベースをつくる

 
 
ぬかに塩を入れ、混ぜ合わせます。
 
 
 

しっかりと混ざったら、水を混ぜながら足していきます。
ベチャベチャにならないよう、調整しながら加えます。

 
 
 
全体がしっとりとし、練られる程度に水を足します。
(偏りなく全体に水分がいきわたらせ事が大切です。)
 
 
 
 

◆水の適度な含み方の目安◆

卓球ボールくらいの大きさに丸め、手で強く握った際に、指の間から水分がじんわり出てくる程度の水分量にします。硬さは味噌くらいです。判断に迷ったときは全量水を入れてください。

 
 
 
 

【ぬか床に風味材料を入れる】

 ぬか床を保存容器に移します。

 

 
 

【風味材料】を加えていきます。
まずは、かつお節、唐辛子を加えて混ぜ合わせます。
(硬くて混ぜにくくなるので、捨て野菜を入れた後に昆布や煮干しは入れます。)
 






漬け野菜を入れる

 
野菜どうしがくっつかないように間隔をあけて、すべての面がぬかに触れるよう埋めこみます。



 捨て漬け野菜は、ぬか床が発酵するための栄養分と適度な水分を補充するための野菜です。今回はキャベツ外葉、にんじんと大根を入れました。




 
捨て漬け野菜がすべて入ったら表面を軽くならし、昆布や煮干しなどの【風味材料】を容器の端に挿して入れます。

(1日程度で柔らかくなり、毎日のお手入れとして混ぜる際には、よく混ざるようになります。)
 
 


空気抜き


蓋を閉める前に、手のひらでギュッと表面を押し付けて空気を抜きます。これはぬか床を続けていくうえで基本となる作業です。

酸素の少ない環境を好む乳酸菌のために、空気を抜くようにして押さえるのが大切です。


 




◆ぬか床の作り方/捨て漬け期間の手入れ◆ 
 
捨て漬け野菜を入れたらはじめの10日間は1日2回底からしっかり混ぜ、次の10〜20日間は1日1回に減らして混ぜていきます。捨て漬け野菜を交換する目安は4〜5日たったら入れ替えです。入れ替えるときは漬けておいた捨て漬け野菜のぬかをできるだけ落とし、ギュッと野菜の汁をしぼってぬか床に戻し加えます。

◆ぬか床の手入れと、ぬか漬けの漬け方◆
捨て漬け期間が終わってもしばらくは1日1回混ぜます。ぬか床をはじめて2週間で酸味もしっかり出てきて、20日くらいたてば美味しく仕上がってくるはず。

◆ぬか漬けの漬け方◆

ぬか漬けにする野菜は、水洗いした後に、軽く塩もみしてから漬けます。漬けあがりの時間を速くしたいなら半分に切るなどしてから漬け込みます。
きゅうりを漬けるなら、丸々1本漬けるのと、縦半分に切ってから漬けるのでは漬け上がりの時間に倍以上の差があります。

ぬか床と冷蔵庫
ぬか床は30℃以上になってしまうと、ぬか床の菌が異常発酵する場合があるので、夏の暑い時期は冷蔵庫に入れるのもおすすめです。

 

 

 

 

 

 




季節を楽しむことは、暮らしを豊かにしていくこと。

毎年めぐりくる季節の習慣と人の営み。
忙しい日々のすきま時間に、季節をたしなむ知恵を知る。

寒がりのあなたも、寒くなることが楽しみになる。うだる暑い夏の日も、さわやかな笑顔で汗を流そう。肌寒い春の雨が新芽を育て、豊作愛おしむ秋の月夜はほっと一息。自分をととのえる時間へ。


人はみんな、自然のとなりで生きていること。
生活の小さなワクワクは、暮らしを照らし、人生を豊かにする。

季節を一緒にしたためましょう。
ブログに戻る

季節の手玉そのほかの記事

お庭に植えた夏野菜。夏も終わりに近づいた頃、まだまだ取れ続けている野菜の消費に「ぬか床」を作る...
  もうすぐ本格的に梅雨を迎える頃。   冬の寒さから、春の陽気を経て、雨が降るたびに着実に夏...
  季節を楽しむことは、暮らしを豊かにしていくこと。毎年めぐりくる季節の習慣と人の営み。忙しい...

関連ページ

読み物総合ページ

【季節と暮らす】

二十四節気・七十二候を中心にきせつのあれこれをご紹介

季節を楽しむことは暮らしを豊かにしていくこと。忙しい隙間時間でも季節をたしなめる「季節の手仕事」をご紹介。季節のめぐみを吸収し、自分をととのえる時間をしたためませんか。