第17番【寒露】(かんろ)

第17番【寒露】(かんろ)

二十四節気 第17番【寒露】(かんろ)



季節は晩秋。
草木に冷たい露が降りる頃。

秋の長雨が終わり、朝晩はぐっと冷えるようになりました。
五穀の収穫で農家は繁忙期となり、実りの秋の味覚が充実していきます。
また、この時期は夜空が深く、月や星が美しい頃とされています。
1日の終わりに、ほっと一息。夜空を見上げてみませんか。

【寒露】七十二候では下記のように表されています。

●初候<鴻雁来(こうがんきたる)>
ツバメと入れ違いに雁が北から渡ってくる頃。

●次候<菊花開(きくのはなひらく)>
菊の花がさく頃。全国各地で菊の展示や菊まつりが行われます。
菊には不老長寿の薬効があるとされ、古来中国から伝播し、重陽の節句には菊の花を酒に浮かべた菊花酒を飲む風習がありました。

●末候<蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)>
秋の夜長、こおろぎの鳴き声が戸口で聞こえる頃。

 初候<鴻雁来(こうがんきたる)>は4月初旬、二十四節気の【清明】次候でご紹介した「鴻雁北 (こうがんかえる)」と対になった候となります。

毎年、初めに訪れる雁を「初雁(はつかり)」と呼び、雁は日本で冬を過ごし、暖かい春になるとシベリアの方へ帰っていきます。群れをなして大空を飛ぶ雁の姿は美しく、昔から様々な文学作品に登場し、絵画の題材にも取り上げられてきました。

小説では森鷗外の『雁』(がん)はとても有名です。井伏鱒二さんの『屋根の上のサワン』。小学生のころの教科書にも『大造じいさんとガン』という作品やスウェーデンの児童文学『ニルスのふしぎな旅』という物語など、年代に関わらず昔から文学や芸術的な視点でも各国の季節の風物詩として親しまれている様子が伺えますね。

みなさまは【寒露】の頃と聞いて、どんな作品を思い浮かべましたか?

 

 

【食欲の秋】 というわれるように実り豊かに。
【芸術の秋】【 読書の秋】といわれるように風流な気配に。
【スポーツの秋】 といわれるように過ごしやすい季節に。
良く晴れた秋晴れにはどんな秋を過ごそうかとワクワクしますね。

朝晩、すっかり冷えて、日中の気温差に季節の変わり目を感じます。
これからの季節をたくさん楽しむために、ぜひ体調に気を付けながらお過ごし下さい。

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