二十四節気 第5番目 清明(せいめい)
季節は晩春。
【万物ここに至りて 皆潔斎にして清明なり】
清明とは「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」を略した言葉で、すべてのものが生き生きと清らかになる頃のことを言います。
その言葉の通り、草花はあたたかな陽気に美しく芽吹き、朝のお散歩では、春に生まれた雀の雛たちが一斉に飛ぶ練習をしています。
清々しい日差しと共に春を告げる南東の風―――【清明風】が柔らかく吹き、花の香りを運んでくる春の風「薫風(くんぷう)」と言われます。
それでは【清明】の頃の行事をご紹介いたします。
【清明の頃の行事】
●お花見(4月)
●清明節(4月5日)
「清明節」は春分の日から 15日目に設けられた祝日で、その日を含む3日間を法定休日とし、お墓参りをします。(日本でいえば、「お盆」に相当する年中行事になります。)
●花祭り(4月8日)
花祭りとは、お釈迦様の誕生日とされる4月8日に行われる、仏教のお祝いの行事です。宗派によらず、寺院や仏教系の学校で広く親しまれています。
●イースター(4月9日)
イエス・キリストが十字架にかけられ処刑された日から、3日目に復活したことを記念に祝い・追憶する日が「復活祭」。キリスト教において、生命の復活と繁栄を祝う、春の最も重要な行事とされています。
●新年度・入学式(4月上旬)
新しい学校・学年や、職場に入り、新しいステージに立つ日となります。
●十三参り(4月13日)
十三参り(じゅうさんまいり)とは、数え年で13歳(満年齢で12歳)になった男の子と女の子が健康に育ったことを祝う伝統行事です。
【晴明節】
【晴明節】とは、中国・台湾・香港など「太陰太陽暦」を用いていた地域では、「清明節(せいめいせつ)」と言われる行事が行われます。日本では、沖縄の「清明祭(シーミー)」として行われており、中国から伝わりました。お盆やお正月と並ぶ大きな行事で、親族一同がご先祖様のお墓に集まり、お酒やお重の料理、切り花などをお供えします。
中国では基本的に清明節(または重陽節)にしかお墓参りをしないため、ほとんどの人が清明節にお墓参りをして過ごします。晴明節が日本全土に根付かなかったのは、大陸との時差や、既に「お彼岸」があったためと思われます。
(日本の本州では前節気【春分】をお彼岸としてお墓参りをします。その他に春分は「昼と夜の長さがほぼ同じになる日」として迎えられ、アメリカでは The first day of Spring (春のはじまりの日)と言われます。
中国ではお墓参りが終わると、すぐに宴会が開かれ、その場でお供え物などのご馳走を食べるため、お墓の周りには宴会用のスペースが広く設けられていることが一般的です。沖縄のお墓の前にも「清明祭」をするための広いスペースがあり、宴も催されます。とても賑やかに行われます。
【“清明節”の食べ物】
【晴明節】の食事は、地域により様々で、地域性が色濃く反映されます。また、清明節には、多くの地域で冷たいものを食べる習慣があります。
そんな中でも清明節の食べ物として有名なのは、「青団(チントゥアン)」と言われるヨモギを使った緑色の餅・お団子です。
あらゆるものの生命力がみなぎる季節の実として「清明果」とも呼ばれます。青団は柔らかくてモチモチとした食感で中国では人気のお餅で、一年中販売されていますが清明節が最も売れる時期となります。
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季節の食べ物
旬の食材が1年を通して移り変わることは、四季のある日本ならではの楽しみ。
旬の食材には、その時期に身体が必要とする成分や、これから迎える気候にあった身体にしてくれるなど、日々の健康を維持するために役立ちます。
採れたての新鮮な食材を美味しく食卓を彩りましょう。
二十四節気 第5番目 清明の頃に旬を迎える食材をご紹介。
◆ 野 菜 ◆
清明は、筍掘りやいちご狩りなど春の味覚狩りが盛んになる時期です。
特に筍は、地表に出現する直前に掘りとると味がいいと言われています。とったばかりのものであれば、えぐみやあくも少なく、生食で楽しめます。
その他、蕗(ふき)も旬を迎えます。蕗は、数少ない日本原産の野菜の一つ。
◆ 魚 ◆
旬を迎える魚は鰹(かつお) !
南方の海から日本近海の太平洋を黒潮に乗って北上する鰹は「初鰹(はつがつお)」または「上り鰹」と呼ばれます。江戸時代、初鰹は珍重されていました。あっさりとした上品な味わいが、この時期の鰹の特徴です。
3~5月の「初鰹」はさっぱりとしているのでかつおのたたき
9~11月の「戻り鰹」は脂が乗っているのでお刺身がおすすめです。
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【清明】の頃七十二候では下記のように表されています。
初候 第13候<玄鳥至(げんちょう いたる)>
夏鳥のツバメが渡来する頃
冬の間、暖かい東南アジアの島々で過ごしていたツバメが海を渡って、日本にやってくる季節になりました。つばめの飛来は、本格的な春と農耕シーズンを表しています。
日本ではツバメが巣をつくるお家には「幸せを訪れる」という言い伝えがあります。ヨーロッパでは復活祭のころに戻ってくることから、「復活と再生」を象徴する鳥としても扱われています。
次候 第14候<鴻雁北(こうがん きたす)>
冬の間を日本で過ごしていた雁(がん)が北国へ去っていく頃。
春に飛来するツバメ(清明 初侯【玄鳥至(つばめきたる)】)と入れ替わるようにして、日本を離れていく雁。
雁は古くから、文芸作品にもよく登場し、様々な俳句や歌に使用されています。和菓子の「落雁」や、高級茎茶の「雁が音 (かりがね)」にも由来し、昔から日本人の生活の景色として、縁の深い渡り鳥ということがわかります。
末候 第15候<虹始見(にじ はじめて あらわる)>
春の雨上がりに、空に初めて虹がかかる頃。
これからの季節なつにかけて大気の状態が不安定な日があり、夕立が多くなります。 突然の雨の後、虹が西の方に見え始める季節になります。「虹」は夏の季語ですが、春は「春の虹」、秋は「秋の虹」として詠まれます。七十二候では、11月の二十四節気20番目【小雪】の初侯に【虹蔵不見(にじかくれてみえず】と対置されています。
「虹蔵不見」は、晩秋、日の力が弱まって虹が見えなくなる頃をいい、「虹始見」は、春になって、雨の後に虹が出始める頃をいいます。
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草木が生き生きと輝く季節を楽しもう!
お出かけにも気持ちがいい時期なので、旬の食材が詰まったお弁当を持って、自然豊かな郊外の散策に出かけるのもおすすめです。自然のなかで草花の美しさや爽やかな春風を感じてみましょう。
次節気は「穀雨(こくう)」になります。