【お食い初め】由来・歴史

【お食い初め】由来・歴史

 
お食い初めとは、平安時代から行われている歴史のある伝統行事で、生後100日を記念して行われるお祝い(100日祝い、百日祝い、ももか祝い)の一部になります。「一生食べることに困らないように」「病気をせず健康に育ちますように」との願いをこめて赤ちゃんに食べ真似をさせ、赤ちゃんの健やかな成長を願う儀式です。
お食い初めでは初めて箸を使ってお魚を食べます。実際に赤ちゃんが使って食べるわけではありませんが、初めて箸を使ってお魚を食べさせる真似をすることから「箸揃え」「箸祝い」「真魚始め(まなはじめ)」と呼ばれる場合もあります。
 

お食い初めの歴史は古く、平安時代(西暦794年~1185年)から続く伝統行事です。
その当時は赤ちゃんが生まれてから50日目に重湯(流動食の一種)の中に五十の餅(いかのもちい)と呼ばれるお餅を入れて、それを箸を使って子供の口に少し含ませる、という「五十日のお祝い」が行われていました。やがて、五十日のお祝いが百日となり、これがお食い初めの始まりといわれています。

鎌倉時代には餅から魚肉に変わっていくことで、「真魚初め(まなはじめ)」と呼ばれるようになりました。その様子は『平家物語』など多くの古典書物にも記載されています。

江戸時代には、お膳にのせて供する食物・料理をそろえて子どもに食べさせる真似をする、現在のお食い初めの形となりました。

昔は衛生面や栄養面おいても万全ではなく、無事に育つことが大変難しかったので、こうした「百日祝い」だけでなく、お宮参りや一升餅、季節のさまざまな節目で赤ちゃんの成長を祈る儀式やお祝いが行われてきました。

お食い初めでは特別なお祝い膳を準備します。
お祝い膳は、日本古来の献立「一汁三菜」が基本とされてきました。
鯛など尾頭つきの魚と、赤飯、吸い物、煮物、香の物が献立となります。


【尾頭付きの焼き魚】
頭から尾まで揃った姿に縁起が良いとされる焼き魚。おめでたい(鯛)の語呂合わせから、鯛の焼き鯛を準備するのが一般的です。

【吸い物】
「おっぱいを力強く吸ってたくましく育つように」という願いをこめ、出汁をよくとったすまし汁で、具材には鯛や鯉が伝統的です。近年では「よい伴侶に恵まれるように」との願掛けから、ハマグリを入れることが一般的。

【煮物】
季節や地域によってさまざまですが、おめでたい「紅白」を表すニンジンと大根を入れることが多いです。カボチャや椎茸を亀の甲羅に見立てて六角形に調理したり、縁起食材の海老を入れることも。

【香の物】
酸味でお口の中をさっぱりさせ、味覚をリセットする役割があります。季節の野菜を漬けたぬか漬けがよいでしょう。

【赤飯】
古来、赤い色には邪気を祓ったり、魔除けの意味があるとされてきました。お食い初めというお祝いの席にも赤飯は欠かせません。

また、生後100日前後は、早い子ですと乳歯が生え始めることから、「歯固めの石」を用意し、丈夫な歯が生えるようにという願いを込めます。

献立の内容は、地域の特色も色濃く、地方の名産品が加えられたりと様々です。必ずこうしなくてはいけない、というものはありません。各家庭のお祝い膳を用意して赤ちゃんのこれからの健康と幸せを願いましょう。
お食い初めはいつ
一般的には、お食い初めは赤ちゃんが生まれてから100日目に行うといわれています。
生後100日~120日頃はちょうど、乳歯がはえ始める時期でもあり、歯が生えるくらいに大きく成長したことへの喜びや感謝を込め、これからの健やかな成長を願ってお祝いします。
地域によっては110日、120日目などに祝うところもあります。120日を過ぎてお祝いすることを「食いのばし」といって、長寿を意味することもあるようです。
必ずその日にしなけらばならないという決まりはなく、100日が過ぎた後の土日や大安吉日で行う家庭が多いようです。何より赤ちゃんの成長や体調を考えて日を選びましょう。


お食い初めは、昔はその家の一番年長者の祖父母が、最初に赤ちゃんの口に箸を持っていく習わしでしたが、それは同じ屋根の下に大家族が住んでるのが当たり前の頃のことになります。最近では、子どもが生まれ夫婦が忙しい時期に行うこともあり、ささやかに家族水入らずでお祝いすることも多いようです。あまり形式にこだわりすぎず、それぞれの家庭に合ったお祝いの仕方で、赤ちゃんが数か月間無事に成長してきたことを祝い、これからも健やかに成長していくことを願いましょう。
お食い初め

 

 

 

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