第12番【大暑(たいしょ) 】

第12番【大暑(たいしょ) 】

二十四節気 第12番【大暑 】(たいしょ)



一年で一番暑い時期。
今年は梅雨明けの発表と共に、夏の暑さが本格的になる頃です。

前の節気「小暑(しょうしょ)」と「大暑(たいしょ)」の期間をあわせて【暑中(しょちゅう)】と呼び、「暑中見舞い」を出すのもこの頃になります。

 


暦の上での夏の期間は、5月5日「立夏(りっか)」から
「小満(しょうまん)」
「芒種(ぼうしゅ)」
「夏至(げし)」
「小暑(しょうしょ)」
「大暑(たいしょ)」となります。

次の節気【立秋(りっしゅう)】からは暦の上では初秋となります。



夏と言えば、夏祭り。
7月から8月は、全国的に多くの祭り(夏祭り)が開催されます。

お祭りの起源は、歴史書の古事記「天の岩戸隠れ」という神話に記されていました。
古来より、日本にはあらゆる万物に神が宿る「八百万(やほよろづ )の神」という考え方があります。自然とともに暮らし、農耕民族として生きてきた日本人は、太陽や星、雲、海、山、川、動物、植物、あらゆるものに神が宿っていると信じていました。

<アマテラスオオミカミは世を照らす太陽神であり、弟はスサノオノミコト(海の神)。
スサノオノミコトは荒くれもので、いつも周りに迷惑をかけてばかり。その様子にアマテラスオオミカミは心を痛め、岩戸の中に隠れてしまいます。太陽神のいない世は暗く災いの多い世界となってしまいました。困り果てた八百万(やほよろづ )の神々が話し合い知恵を出し、太陽神を招き出すために岩戸の前で「どんちゃん騒ぎ」をしました。その楽しそうな様子に誘われ、太陽神が出てきました。そして再び明るい世を取り戻すことができたのです。>

どんなに暗い災いが起こっても、皆で知恵を出し楽しく過ごすことで、良い方向へ向かったり、明けぬ夜は無いということ。
そうした神々に祈り、神のために祭りを催すのです。

春は豊作を願い種をまき、夏は豊穣を祈り、秋は実りに感謝して収穫する。と言った具合に、
五穀豊穣や台風の多い季節ともなり、無病息災を祈ります。

人々の内なる思いや、祈りを営みとして表した「お祭り」。
地域や社会の人々と交わる場所。その「祭り」を楽しむことが、生きる知恵となり、喜びの中で歴史と共に今を語り継くこと。
近年では、コロナウイルスのため自粛傾向にありますが、コロナが明け、また以前のように祭りが行われる時、
文化と共に人が集まることが、より人生を豊かにしていくことを実感できればと心より思います。

生活や習慣が変わっていくことが当たり前になっていく中で「変わらないもの・コト」を大切にすること。
それがまた歴史と共に刻まれていく人々の思い。



【 大暑 】の頃、七十二候では下記のように表されております。

初候<桐始結花(きりはじめてはなむすぶ)>
桐は4月~5月に薄紫色の花を咲かせ、花が終わると卵形の固い実がなりはじめます。
花が結ぶこと=実になることを意味しています。

次候<土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)>
強い陽気を受け土の中の水分がじっとりむし暑くなる時期
このような蒸し暑さのことを「溽暑 (じょくしょ)と言い、晩夏の季語になります。

末候<大雨時行(たいうときどきおこなう)>
梅雨が明け、猛暑続きの日々が終わると、台風の季節の到来。
もくもくと立ち上がる入道雲から、突然の雷や夕立も多くなります。


本日ご紹介する家紋は、
大暑の初候(第34番目)にちなんで、「五三の桐」
桐は古来より『鳳凰が止まる木』と言われ、神聖視されていました。

日本では、そうした象徴から室町幕府で貨幣に刻印されるほか、幕府や皇室、豊臣政権など様々な政権が用いており、現在では日本国政府(五七の桐)の紋章として用いられています。(500円硬貨でも使用されていますよね。)

桐は生命力が高く成長が早いため、かつて日本では女の子が生まれると庭に桐の木を植える習慣がありました。
そして、女の子が大人になったとき、その桐を使って箪笥を作り、嫁入り道具として持たせていたという慣わしが元となり、嫁入り箪笥となりました。

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