第15番【白露】(はくろ)

第15番【白露】(はくろ)

二十四節気 第15番【白露】(はくろ)



朝夕には涼しい風が吹き、心地よい虫の声が聞こえてくる頃。
暑さが和らぎ、穀物が実り始めます。

【白露】とは、露が降り、白く輝くように見える頃という意味。
夜の気温がぐっと下がって空気中の水蒸気が冷やされ、水滴となり、葉や草花につくようになります。それが露(朝露)です。日中はまだ残暑が続いていますが、朝晩は冷えるようになり、朝露が降りる始める時期をあらわしています。



白露の期間では、<中秋の名月>十五夜があります。

古の時代は月の満ち欠けによって、おおよその月日を知ることで農事を行っていました。
そのため十五夜の満月夜は祭の行われる大切な節目でもあったのです。
仲秋の名月を鑑賞すると言う風習は、中国では唐の時代から知られていますが、日本へは平安時代の貴族の間に取り入れられ、武士や町民へと次第に広まって行きました。
この頃は1年を通して最も月が美しい時期であるとされたことから、平安時代の貴族たちは、中秋の名月に月を眺めて和歌を詠む「観月の宴」を開いて楽しみました。
農民の間では農耕行事と結びついて、収穫の感謝祭としての意味を持っていました。
仲秋の名月は「芋名月」とも呼ばれますが、これは里芋など芋類の収穫儀礼であったことに由来しています。庶民の間では、年中行事の一つとして、長く伝承されて来ました。

十五夜は、お月見・名月・仲秋の名月などと呼ばれ、古来から観月の好時節(絶好期)とされ、月下に酒宴を張り・詩歌を詠じ・すすきを飾り、月見団子・里芋・枝豆・栗などを盛って、神酒を備え月を眺めて楽しんだと言われています。

「実りの秋」と言われるように、このころから多くの食材の収穫の時期となります。
大地の恵み、自然の豊かさに感謝しながら、季節を楽しめますように。

 



【 白露 】の頃、七十二候では下記のように表されています。

●初候<草露白(くさのつゆしろし)>
草花の上に降りた朝露が、白く涼しく見える頃。夏から秋への変わり目。

●次候<鶺鴒鳴(せきれいなく)>
鶺鴒の声が響きわたる頃。

●末候<玄鳥去(つばめさる)>
春先に日本にやってきたツバメが暖かい南の地域へと帰っていく頃。また来年には戻ってくるので、しばしの別れとなります。

季節の移ろいを少しづつ感じる今日この頃。
台風が多く訪れる時期となりましたが、
雨が降る度に秋に変わっていく様子を見ながら、少しづつ夏物をしまいだしています。

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