お正月の「正」と言う字には、年の【初め】、年を【改める】という意味が込められています。昔は「正す月」として、1月を通して「正月」としていました。
【お正月事始め】から半月をかけ、家内を掃除し、整え、お飾りや歳神様の依り代、お供えを準備しました。そして、新しい歳神様を家族そろってお迎えし、祝うための大切な日となります。
◆お正月飾り◆
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健やかな成長を祈るお飾りを、ぜひ暮らしのなかに
羽子板は子どもの無病息災や健やかな成長を願う「お守り」として、生まれた赤ちゃんが初めて迎える初正月に飾られます。
羽子板の歴史は、室町時代に宮中で新年を祝い女性同士で羽根つきをして遊んでいたことが始まりと言われています。
年の初めに突く羽根つきは、ただの遊びではなく「邪気祓い(じゃきばらい)」や「厄除け」の意味がありました。羽根つきをしている時の音や、羽根を落としてしまった時に顔に塗られる墨は「鬼が嫌う」とされ、羽根をつくことで「邪気を跳ね(羽根)除けて、今年も無病息災で元気にいられますように」と願いました。
宮中では次第に、羽根つきに用いていた羽子板を「邪気祓い」や「厄除け」として女性に贈る縁起物・飾り物となりました。
年の節目には飢餓などの災厄が起こったり病気になったりするのは、全て「邪気(鬼)」のせいだと信じられており、このような邪気祓いの儀式や、縁起物のお飾りなどが非常に大切とされたのです。
また、本来の羽子板では、羽先の玉は「無患子」と言う木の種が元に使用されています。「子供が患わない」という意味も含まれており、羽の形をトンボの羽に見立てて、トンボが蚊を食べる益虫であることから(蚊は疫病を運ぶ)、お正月に羽根をつくと、夏になっても蚊に食われることがないと信じられてきました。
こうして、羽子板は子どもの無病息災や健やかな成長を願う「お守り」として認知され、生まれた赤ちゃんが初めて迎える初正月の贈り物として飾られます。
◆時代の変化と共に◆
近年では、核家族化やライフスタイルの変化が進み、しきたりにこだわりすぎず、柔軟に考える親御さんが増えています。
両家でお金を出し合うケースもあれば、男側が用意することもありますし、両親に頼らず、自らがお金を出して購入するケースもあります。
日本の風習に、毎年12月13日には、新年の歳神さまを迎える準備を始める日を『正月事始め』が雑節として決められており、門松やしめ縄を用意したり、羽子板や破魔弓などの正月飾りを飾ったりと、お正月の準備をはじめます。
そして、1月15日の小正月(こしょうがつ)までの約1ヵ月の間、飾るのが一般的です。
◆雛人形やと一緒に飾る羽子板◆
羽子板を何歳まで飾るのかは特に決まりはありません。
昔は、「子どもが成長するまでのお守り」として飾っていたので、現代の「成人式」にあたる「元服(げんぷく)」を行う15歳まで飾るのが一般的でした。
現代でも、元服の年齢に合わせて15歳まで飾るというご家庭もありますし、成人式を行う18歳まで飾るというご家庭もあります。それ以外には、学校生活の節目や七五三などの行事を節目と考えるご家庭もあります。
いつまでという決まりがないので、「その人の成長お守り」と考え、成人した後や結婚してからも飾り続ける方も多くおられ、縁起物や季節のお飾りとしても飾っていただけます。
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