第16番【秋分】

第16番【秋分】

二十四節気 第16番【秋分】(しゅうぶん)


白露から秋分へ。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように残暑も次第におさまり、秋が深まっていく頃。


【秋分(しゅうぶん)】は、昼と夜が同じ長さになる日となり、これから徐々に冬へ始まりの時となります。季節の移り変わりの時期として、大切な頃です。
春分も秋分も、太陽が真東から上がって真西に沈む為、昼夜がほぼ同じ時間になるという点では変わりません。


春分を境に、冬の間短かった昼が<夏至>に向かって長くなり、
秋分を境に、夏の間長かった昼が<冬至>に向かって短くなります。


また、二十四節気では、<夏至・冬至・春分・秋分>を合わせて、【二至二分】と呼び、二十四の季節の区切りの指標として表しています。

春分(春の分点)秋分(秋の分点)
夏至(夏の至点)冬至(冬の至点) 
は、季節の移り変わりの指標と共に、それぞれ五穀豊穣を願い、収穫を感謝し祝う時期<自然をたたえ、生物をいつくしむ>頃とされています。

 

詳しくは、下記のリンクよりご覧ください。


 

【秋分】の時期の大きな行事としては【秋分の日】があります。 

 

【秋分の日】 


秋分の日は
春分の日と同じく【国民の祝日】にも定められ、近年では秋の大型連休「シルバーウィーク」の長さを左右することもあり、国民の注目度も高くなっています。

一般的に【お彼岸】は、春と秋の2回にわたって行われる仏教行事であり、「お墓参りやお供えを通してご先祖様を供養する期間」という認識が一般的です。

秋分(春分)の日は【お彼岸】の中日にあたり、秋分の日(春分の日)前後3日間(計7日間)を【お彼岸】と呼び、墓参りや仏壇仏具の手入れなどをして先祖の供養や感謝をして自己を見つめ直す期間とされています。
【太陽が真西に沈む春分の日・秋分の日は、極楽浄土に最も近づける日】と考えられ、お彼岸の時期が決められました。

●春分の日(春分日)は
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」祝日
●秋分の日(秋分日)は
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」祝日
 



【夏至・冬至】は、なぜ祝日に指定されていないのですか?と聞かれることがありますが、【夏至・冬至】には古来より日本で行われていた「春季・秋季皇霊祭」のような風習(お彼岸)がないため、春分・秋分と違い祝日に指定されていません。


▼▼【お彼岸(ひがん)】について▼▼

 

 
1.ご先祖さまのお墓参り 

【お彼岸】という先祖供養をする風習は日本ならではの文化   

 

 

 

お盆やお彼岸のお供え物は、「五供(ごくう)」と呼ばれ
「香(線香)・花・灯明(ろうそく)・浄水・飲食」の5種類が基本です。
お供え物を選ぶ際は、この5種類を意識すると選びやすくなります。

◆お供えの表書き◆


お彼岸のお供えの一般的な表書きは「御供」や「御供物」です。

ただし、四十九日法要前の場合は「御霊前」忌明け法要後は「御仏前」となりますので、訃報から日が浅い場合は先方に確認すると良いでしょう。お寺に持参する場合は「粗品」または「上」とすれば問題ありません。

水引きは黒白の結びきりが一般的。関西地方では 黄白の結びきりが使われます。

水引の下に贈り主名を書くとき、名字だけでもかまいませんが、 親戚で集まる場合や人口の多い苗字の場合はフルネームで書くのがおすすめです。
連名の場合は、右側から目上の方順に名前を記します。5人以上の場合は「○○一同」としましょう。

現金をお包みする際は、「不祝儀袋(ぶしゅうぎふくろ)」に入れてお渡しするのが一般的です。入れた金額や住所氏名などの詳細は、中袋に記入します。

 

◆お供え物のお返しは?◆

 

お彼岸は、身内中心で行われることから、基本的にはお彼岸のお供えをいただいてもお返しは不要と言われています。

いただいたお相手との今後の付き合いも考慮した上でお返しをしておきたい場合には、返礼品をお渡ししても問題ありません。金額はいただいたお供えの1/3〜半額程度で、お彼岸が明けてからお礼状を添えて郵送するか、あらかじめ準備しておいてその場でお渡しすると良いでしょう。

 


ご自宅のお供えですと、「五供(ごくう)」を基本として、故人が好きだった食べ物をお供えすることも定番です。仏教の教えに沿って、お酒や肉魚などの殺生を連想させるものは避けて選ぶのがポイント。お菓子や飲み物であれば用意しやすいでしょう。また、飾るお花も同様に、個人の好きな花を飾っていただけます。基本的にトゲのついているものや有毒な成分が含まれるものは避けられる傾向にあります。
秋のお彼岸に供える花には、菊、リンドウ、ケイトウ、ダリア、 コスモスなど色合いが華やかで花持ちが良いものが人気です。

 


行事食「おはぎ」


秋分の日には『おはぎ』を食べる風習があります。
餅は五穀豊穣。小豆は魔除けの象徴とされ、お祝いや法要、行事食には欠かせないものです。
 

 


◆“御萩”と“牡丹餅”の違いを知っていますか?◆

おはぎは秋に咲く花である『萩』を由来に『御萩』と呼び、ぼたもちは、春に咲く花である『牡丹』が由来とされ、『牡丹餅』と呼ぶようになりました。

●牡丹餅は「牡丹の花の形に似せて、丸い形」で作られていおり、
●御萩は「萩の花のように細長いだ円のような形」で作られます。

また、牡丹餅と御萩の原材料の小豆は、秋に収穫される食材です。
●御萩は収穫したての小豆は皮ごと使う「粒あん」
●牡丹餅は皮を使わない「こしあん」

今では季節関係がなく小豆を収穫できることから、あんの種類は好みに合わせて使用され、牡丹餅と御萩は季節の呼び名として使用されています。

 

 

日本は季節の中でさまざまな行事・文化を持ち、そうした文化は四季折々の生活に寄り添う特質で行われています。これから、だんだんと季節は移ろい、冬に向かっていく時期。そんなタイミングで行われる先祖への供養や感謝をする行事【お彼岸】。収穫の秋をお祀りする最中、どんな思いが込められているのかと想うと、日本人の生活の知恵が随所に溢れているようで愛おしく思えますね。


 


【秋分】の時期の七十二候では下記のように表されています。


初候<雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)>
 

夏の間に鳴り響いた雷が収まる頃。



春分の頃に訪れる「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」と対になる候になります。七十二候では幾つか対となる候の名称があり、そうした名称を知ることで季節の循環を感じることができます。


 

●次候<(むしかくれてとをふさぐ)>

 

寒さを覚えた虫たちが地中に姿を隠す頃。
 

 

啓蟄の初候「蟄虫蟄戸 」と対になっています。夏が終わり、外で活動していた虫たちは寒さの到来を察知して、冬ごもりの支度を始めます。
 

 
●末候<水始涸(みずはじめてかるる)> 

 
田んぼの水を抜き、稲穂の刈り入れを始める頃

 
稲穂が黄金色に色づき、稲刈りシーズンを迎える水田では、これまで稲を育ててきた水を流し出します。
秋風に稲穂が揺れる景色は、見つめるだけで心が豊かに満ちてゆくような、日本ならではの
情景となります。
 
 
残暑が続く中、夏の疲れも出やすくなる頃。これから冬に向かう季節の変わり目となりますが、【秋分】の末頃には実りの秋が訪れます。

素敵な秋シーズンを過ごすためにも、お彼岸を過ごす中で、自分自身や家族の心や身体をいたわり、自分を見つめるきっかけにするのも良いタイミングかもしれません。

ブログに戻る