二十四節気 第22番目 【冬至(とうじ)】
季節は【冬至】を迎えます。
一年でもっとも昼が短く、夜が長い頃。
陽の光が弱まり、一段と寒さを深めていくこの時期を乗りきるために、栄養価の高い食べ物を食べ無病息災を願います。
【冬至】は年末年始をはさみますので、様々な行事や習わしが目白押し。
皆さまにとって今年はどんな年でしたか?
今回は年末の習わしについてご紹介いたします。
(【冬至の習わし】については、▼クリックしてをご覧ください。)
一年の最後の日、大晦日(おおみそか)
12月13日【正月事始め】の習わしから、半月。
新年を気持ちよく迎えるために、大晦日までに大掃除をはじめ、松迎え、しめ縄などのお飾りや、おせちやお餅など食べ物(お供え)の準備を終えて、いよいよ新年を迎えるために、大晦日には心を清めます。
大晦日の語源
【 大晦日の行事 】
1.除夜の鐘
除夜とは大晦日の夜のことを指し、「旧い年を除く」という意味で除夜と呼ばれます。多くのお寺では1年間を振り返って感謝の気持ちを表す「除夜法要」「除夜会(じょやえ)」といった、新しい年への引継ぎを行う大切な儀式。
響く鐘の音に耳を傾け、煩悩を取り去り、正しく清らかな心で新年を迎えることができるようにするために、お寺は最後の法要勤めます。
除夜の鐘は、大晦日から元旦にかけての深夜0時を挟んで撞かれます。
鐘は大晦日のうちに107回までを撞き、新しい年になってから最後の1回を撞く寺院が多いです。
大晦日に107回撞くのは、古い年のうちに煩悩を消すという意味があります。
そして、最後の一回は、新年を迎えてから。
新年の一番はじめに、鐘の音を聴きながら、去年一年間のいろんな出来事を思い出しながら、新年の一番はじめに反省や改善、希望を胸に刻むというような意味合いがあります。
108回の鐘の音
108というのは人間の煩悩の数だといいます。
煩悩とは自分自身を苦しめる心のこと。煩わせる心や悟りに至る道を妨げる心。仏教では幸せになれない原因は自分の外にあるのではなく、自分の内側にあると考えられています。
「 108」の由来は諸説あります。
①六根説(ろっこん-せつ)
人に感覚を生じさせ、迷いを与えるものの数
眼・耳・鼻・舌・身・意の6つに
好・平・悪の3つの状態があり、
さらに染・浄の2つに分類され、
これらが過去・現在・未来の3つにそれぞれあるということです。
6×3×2×3₌108
②暦説
暦月や二十四節気・七十二候の時の流れに基づく数
暦月の数(12)+二十四節気の数(24)+七十二候(72)₌108
暦月や二十四節気・七十二候もまた、時の流れに基づくものですので、煩悩が人の時を過ごすことで生まれることと考えると、頷けるものもありますよね。
2.年越し蕎麦
古くから救荒作物として育てられていたそばですが、同時に、縁起物としてハレの日に食べるものでもありました。
地域による特色があり、呼び方も晦日蕎麦、大年そば、つごもり蕎麦、運蕎麦、また、大晦日蕎麦、年取り蕎麦、年切り蕎麦、縁切り蕎麦、寿命蕎麦、福蕎麦、思案蕎麦と多くあります。
これまで沢山の行事の食べ物をご紹介してきましたが、日本人は昔から、行事やお祝いの中で食べ物をいただく際に、縁担ぎや願いなど様々な思いを託して食します。年越しそばもその一つ。
年越しそばに込められた意味
1.長生きできるように
蕎麦のように、細く長く過ごせることを願って食べます。
2.無病息災でありますように
蕎麦は風雨にさらされても、日光を浴びると再び元気になります。そのため蕎麦のように、何度も元気に蘇るようにという願いが込められています。
3.今年の不運を切り捨て、来年を幸運で迎えられるように
蕎麦は切れやすいため、今年の苦労や不運を綺麗に切り捨てて、新しい年を迎えるためと言われています。
4.金運が上がりますように
昔の金銀細工師は、細工で散らかった金や銀を集めるために、蕎麦粉を使っていたと言われています。蕎麦で金を集めることから、金運が上がるとされました。
また、蕎麦の上に乗せる具材にも意味があります。
例えば「エビ天は長寿のシンボル」、「油揚げは商売繁盛のシンボル」というように、その具材によって新年への希望を託します。
【冬至】の七十二候では下記のように表されています。
初候<第六十四候「乃東生(なつかれくさしょうず)」>
夏枯草が芽を出す頃
「乃東」(なつかれくさ)とは「靫草」(うつぼぐさ)のこと。冬枯れの野の下、靫草だけが芽を出し始めます。
次候<第六十五候「麋角解 (さわしかのつのおつる)
雄のシカの角が取れ落ちる頃
雄シカの特徴のひとつである大きく立派な角は、年に一度、この時期に抜け落ち、また春に生え始めます。
末候<第六十四候「雪下出麦(ゆきくだりてむぎのびる)」>
雪の下で麦が芽を出しはじめる頃
深い雪の下でも静かに成長し、雪解けの春をじっと待っています。第二十四候の「麦秋至(むぎのときいたる)」と対になる一候。