徳永夕子の季節をめぐる 第六回「雛人形」

徳永夕子の季節をめぐる 第六回「雛人形」


「上巳の節句」
娘2人の雛人形、そしてもう1つ、昨年からは愛犬ミロの雛人形も加わって、全部で3つの雛人形が我が家のいろんな場所に飾ってあります。
3人分の雛人形は、それぞれ選んだ人が違うので統一感が全くなく選んだ人の個性や願い、そして希望が溢れていて微笑ましくもあり、おもしろいな。と年を重ねるごとに感じるようになりました。

 

 

長女の時は夫の父が、少し変わった色合いで、古風なお顔の雛人形を選んでくれました。
次女の時は私の母が、落ち着いた色合いの木目込みの雛人形を選び、
愛犬の雛人形は私が、小さなサイズで深い赤色が美しい木目込みの立ち雛を選んだ。
雛人形と娘がそれぞれ似ているようにも思えるのも不思議です。
 

 



一人の女の子が誕生した時、祖父母や両親が共通して強く思う事は、
「健やかな成長と幸多く恵まれた人生を歩んでほしい」
「長い人生の様々な場面で災いが降りかかってきそうな時には、この子を厄から守ってあげたい」
このような願いです。
そして上巳の節句の日に、その願いを雛人形に託す。
どんなラブレターよりも、熱い熱い愛情を託された雛人形が、穏やかな表情で私たちを見つめてくれる時、私はいつもふんわりと心が温かくなります。

 



「今年もやっと会えたね」毎年飾る前に、雛人形に話しかける言葉。
ワクワクして待ち遠しい、温かく幸せな時間を今年もありがとう。

 



(撮影・編集:近藤)

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