第6番「穀雨(こくう)」

第6番「穀雨(こくう)」

二十四節気 第6番【 穀雨(こくう)】

 


【穀雨】は、「雨降って百穀を潤す」という言葉が語源であり、「春の柔らかな雨に農作物が潤う」という意味で伝えられます。

それまで不安定だった春の気候が安定してくる頃で、「清明」になると雪が降らなくなり、「穀雨」になると霜が降りることもなくなる

と言われ、雨で潤った田畑は種まきの好期を迎えます。南の地方ではトンボが飛び始め、冬服やストーブを仕舞い、衣替えをはじめます。農家では田植えの準備をする目安となります。


それでは晩春【穀雨】の頃の行事をご紹介いたします。

  

 

 

 

【清明の頃の行事】

4月29日:昭和の日(昭和天皇誕生日)

5月2日:【雑節】八十八夜(はちじゅうはちや)

5月3日:憲法記念日
5月4日:みどりの日
5月5日:端午の節句
    子どもの日

 

二十四節気 第6番「穀雨」を過ぎれば、第7番「立夏」となります。

春を終え、初夏。いよいよ夏のはじまり。
めぐる季節を楽しみましょう!

  

 

 

 

【雑節】八十八夜(はちじゅうはちや)

 

雑節とは、二十四節気・五節句以外の季節の移り変わりの節目となる日のこと。

「八十八夜」のほかに「土用の丑」や「節分」「彼岸」などが雑節となります。

 雑節は二十四節気を補う意味合いを持っていて、一年間の季節の移り変わりをより的確につかむことができます。生活や農作業に照らし合わせてつくられており、古くから日本人の生活の中に溶け込んでいました。年中行事、民俗行事となっているものも多くなじみ深いものです。

「八十八夜」は立春から数えて「88日目」という意味で、春から夏に移る節目とし、この日から夏の準備を始めます。4月の終わり、5月初めの頃。

今年2023年は5月2日とされています。

 

 

八十八夜はまさに新茶の季節

 

「夏も近づく八十八夜~」という歌もあるように、季節は初夏を目前に暖かくなっていきます。昔から農業に従事する人々にとって重要な日とされてきました。

 

新茶は縁起物!

  

この時期の新芽を摘んで作られたお茶のことを「新茶」「一番茶」と呼びます。

 

新茶は『八十八夜のお茶を飲むと寿命が延びる』『1年間健康でいられる』と伝えられています。日本では、古くより、「初物は生気が溢れていて、そのエネルギーを取り入れることができると考えられたり、そのシーズンの初物を食べると“初物七十五日”といって寿命が75日延びるなどの「初物を尊ぶ風習」も多く残ります。

また、「八十八夜」の場合は末広がりの日に摘まれたから縁起がいいとも伝えられてきました。

 

 

お茶の葉は、1年に3~5回の収穫ができます。

お茶は摘採時期によって、一番茶(新茶)に始まり、二番茶・三番茶・秋冬番茶などの名称がつき、一般的には摘まれた時期が早いほど品質が高く美味しいお茶だといわれています。

甘み・旨み成分であるテアニンが、二番茶以降の3倍以上も含まれていると言われます。そんな新茶ですが、新芽が伸びれば伸びるほど、テアニンの含有量が減ってしまうので、あまり遅くまで伸ばすことはできません。しかし早すぎると少ない収穫できないという結果になってしまいますので、収穫の頃合いが重要とされています。

八十八夜の言われの中には、「八十八夜の別れ霜」という言葉があります。

それは、「八十八夜」頃になると霜が降りる日が減り、茶摘みや種まきに適するようになる目安とされ、季節の進み具合を見極めて一気に収穫します。


しかし一方で、「九十九夜の泣き霜」というものがあります。

まだまだ春の不安定な気候により、急な寒気が訪れ遅霜が降りることがあるのです。茶葉が芽が開いてから摘採するまでに霜がおりると、新芽の柔らかい部分は凍傷害を起こしてしまい、新芽は茶色く変色し、茶畑にとって大変な被害になります。

そうならないために、八十八夜前の新芽が芽吹きだす茶畑農園は防霜ファンなどを使用しながら、摘み取るその日まで、大切に茶葉を育てます。

  

 

おいしい新茶の入れ方

 

新茶をおいしくいれるための茶葉の量が1人あたりティースプーン2杯。湯の温度は70~80℃、湯の量は150~200ミリリットル、抽出時間は約40秒となります。

①急須に茶葉を入れます。

茶葉は心もち多目に入れたほうが、味わいが深くなります。

②お湯を湯呑に注ぎ、70~80℃まで湯冷ましして、急須に注ぎます。


③約40秒抽出したのち、急須を軽く2~3度回します。

これにより茶葉が開いて、味がしっかりと出ます。

④少しずつ均等に注ぎ分け、最後の1滴まで絞ります。

 

新茶は贈り物としても人気が高く、新緑のようなフレッシュな香りと味を楽しむことができます。

ぜひ季節の香りをたのしみたいですね。

 

**** 

 

穀雨の時期には、日本では大型連休のゴールデンウィークに入ります。

今年はコロナウイルス対策緩和により、マスク着用も緩和され、海外もほぼすべての国で入国規制がなく渡航できるようになりました。国内の旅行や観光地に足を伸ばす人も多くの賑わいを見せるのではと期待されています。

そんな中、お天気の方は本来であればこの時期、比較的気温も穏やかで旅行や観光を楽しみやすい季節と言われていますが、近年では急に寒さが戻る「寒の戻り」や春雨前線の停滞などで天気がグズつくことも珍しくありません。

また、こどものいるご家庭では、子どもの日や端午の節句など、お子さまのお祝い行事もありますね。今年はどんなゴールデンウイークを楽しみますか?

 

初夏のさわやかな新緑の中で季節のめぐりを感じながら、楽しみましょう!

 

 

 

Back to blog

季節を暮らす新着記事

二十四節気 第12番【大暑 】(たいしょ) 一年で一番暑い時期。今年は梅雨明けの発表と共に、夏...
二十四節気 第11番【 小暑(しょうしょ)】 梅雨が明け、暑さが本格的になる頃。例年では梅雨明...
二十四節気 第10番目【夏至 】(げし)   一年でいちばん日が長く、夜がみじかくなる頃。「...
  もうすぐ本格的に梅雨を迎える頃。   冬の寒さから、春の陽気を経て、雨が降るたびに着実に夏...

関連ページ

<二十四節気>
季節の節目となる二十四節気・七十二候を軸に、季節の文化や習わしをお伝えいたします。ちょっぴり特別な日常を暮らしていけますように。
<季節のならわし>
古くからつづく日本のお祝いをはじめ、伝統的な習慣・文化年中行事や風習をまとめています。時代にもつながる日常生活を整えるためのエッセンスとなることでしょう。
<徳永夕子の季節の暮らし>
徳永こいのぼり社長、徳永夕子の"季節と文化の中で「今を生きる」” を視点に自身の生活をラフに執筆。 ちょっぴり息抜きしませんか。
季節の手玉
季節を楽しむことは暮らしを豊かにしていくこと。忙しい隙間時間でも季節をたしなめる「季節の手仕事」をご紹介。自分をととのえる時間を一緒にしたためませんか。

◀【季節と暮らす】TOP